日本で「本当に良い店」に辿り着く難しさと、LocalWaysが架ける橋
世界有数の外食大国でありながら、訪日客や外国人居住者にとって「本当に良い店」に 出会うことは簡単ではない。日本人の店選びの文化と、そこからこぼれ落ちる情報を補うための 新しい試みとして、LocalWaysがどのような役割を目指しているのかを整理する。
日本に住んでいると、「今度東京に行くんだけど、どこで食べればいい?」という相談を受ける機会は少なくない。 旅行者や出張者にとって、日本は「どこを選んでもある程度はおいしい」国だと言われることが多いが、 実際には情報のギャップによって、地元の人が通う店と、海外から見えている店の間に大きな差が生まれている。 その差は、単に情報量の問題ではなく、「どうやって店を選ぶか」という文化の違いに根ざしている。
日本人はどうやって店を選んでいるのか
日本の飲食店検索を語る上で欠かせないのが、食べログの存在だ。点数、口コミ、写真、予算帯などが整理されており、多くの人にとって 「ちゃんと店を選ぶときに見るサイト」として定着している。初めての会食や記念日のディナー、 出張先でのランチなど、重要度が高い場面ほど食べログを確認する習慣がある。
一方、海外ではGoogle Maps や Yelpが主な手段として使われており、評価文化やユーザー層が異なる。日本に長く住んでいる人にとっては 食べログの点数やレビュー文の「読み方」があるが、それは自然に身につく暗黙知であり、 初めて触れる外国人には伝わりにくい。

評価文化の違いとスコアの読み方
日本では、自己評価も他者評価も控えめに付ける傾向がある。これはビジネス現場だけでなく、 レビューサイトの点数にも表れる。食べログでは、3.5前後のスコアでも十分に「良い店」とみなされ、 4.0を超える店は限られた存在だと理解されている。
一方、Googleレビューでは、満足した体験に対して5点満点の評価を付けることが比較的一般的だ。 そのため、同じ店であっても、食べログとGoogleでスコアの分布が大きく異なるケースがある。 この違いを知らないまま、日本側のスコアを「海外サービスと同じ感覚」で解釈すると、 本来高評価の店を過小評価してしまう可能性がある。
点数だけでなく、レビューの書き方にも特徴がある。具体的な不満を直接書かず、 曖昧な表現で調整するケースや、常連客が店側への配慮を前提として書いているケースもある。 こうした文脈は、日本語ネイティブであっても読み解きが必要であり、翻訳されたテキストからは さらに伝わりにくくなる。
SNS時代の情報とその偏り
TikTokやInstagramなどのSNSは、飲食店の情報流通を大きく変えた。 映像や写真を中心とした情報は、言語を問わず直感的に伝わり、短期間で多くの人に届く。 一方で、そこで見えているのは特定の投稿者やインフルエンサーの視点に限られる。
また、SNSで頻繁に紹介される店の多くは、渋谷・新宿・原宿・浅草などの観光地周辺に集中する。 英語メニューがあり、外国人対応に慣れている店ほど取り上げられやすい。 その結果、日常的に地元客が通う店や、住宅街にある小規模な名店は、 海外の情報圏ではほとんど可視化されないままになりがちだ。
見えにくい「日常の名店」
駅から少し離れた場所にある小さな店、英語の案内が一切ない店、 予約が電話のみの店などは、外国人にとってハードルが高い。 しかし、実際にはそうした店の多くが、地域の常連客に長く支持され、 安定したクオリティで料理を提供している。
こうした「日常の名店」は、アルゴリズムによるランキングやバズの構造から こぼれ落ちやすい存在だ。その結果、訪日客や外国人居住者は、 選択肢が豊富にあるにもかかわらず、限られた範囲の情報に基づいて店を選ばざるを得ない。
LocalWaysが目指す役割
LocalWays は、この情報の非対称性を少しでも縮めることを目的としたサービスだ。 検索キーワードを並べるのではなく、「新宿近くで、19人、子ども連れ、静かめで、 ベジタリアン対応あり」といった自然な文章を受け取り、その意図を解釈することから始める。
その上で、ホットペッパー、食べログ(Yahoo!ローカルサーチAPI経由)、 Google Mapsなど複数のデータソースから情報を集約し、人間が意思決定しやすい形に整理し直す。 日本語だけでなく、英語やアラビア語など、利用者の言語で質問できる点も特徴だ。
誠実さと限界について
LocalWaysは、すべての人にとっての「正解の一軒」を保証するものではない。 味の好みは主観的であり、店側の事情やタイミングによっても印象は変わる。 また、オーナーやシェフの交代といった変化を完全にリアルタイムで追跡することも難しい。
その一方で、LocalWaysは「存在しない店やレビューを作らない」という方針を明確にしている。 架空の穴場情報を生成するのではなく、既存の信頼できるデータを、利用者の文脈に合わせて 翻訳し直す役割に徹する。その意味で、AIでありながら、あくまで「誠実な媒介者」であることを 目指している。
まとめ: 「日本に住む友人」に近い存在へ
日本に知り合いがいる人は、その友人に「どこがおすすめか」を聞くことができる。 LocalWaysは、その体験に少しでも近づけることを目標としている。 言語や情報量の差によって生まれる溝を、技術によってどこまで埋められるか。 その問いに対する一つのアプローチが、このサービスである。
完全に人間の代わりになることはできないが、日本の店選びにおける 情報の非対称性を少しでも小さくすること。それがLocalWaysの役割だと考えている。
編集部注: LocalWaysは、日本の飲食店情報を多言語・多ソースで整理するために開発された AIアシスタントです。サービスに関するお問い合わせや取材のご相談は、 info@localways.shop までご連絡ください。